カウンセリングをしている中で、「子どもがまだ小さく、両親が揃っていないとかわいそうだから離婚しない方がよいでしょうか」という話はよくお聞きします。

ご家庭の事情は千差万別なので、ここで私がお伝えすることは断定ではなく、可能性の一つとして捉えていただけたら幸いです。


もちろんそれは、「離婚したい気持ちの度合い」にもよるでしょう。
子どもへの暴言などがある場合、早急に離婚という決断を下したほうがいいケースもあるでしょう。
また、経済的理由で離婚に踏み切れないというケースもあると思います。

ですが、「子どもがかわいそうなのではないか?」「お父さん(お母さん)のいない子にしてしまうことへの罪悪感」だけが踏みとどまるネックになっているのなら、以下のことも視野に入れていただけたらと思うのです。

子どもの幸せが親の幸せであるように、親の幸せが子どもの幸せでもある

ということを。


お母さん(お父さん)が自分のせいで離婚できない、お母さん(お父さん)は自分のせいで我慢している、お母さん(お父さん)が辛そうなのは自分のせいだ・・・

子どもは、親のことをよく見ていますし、親の喧嘩や、親が辛い思いをしているのを「自分のせいだ」と思ってしまうことは、よくあることなのではないでしょうか。

また、そういったご両親の状況を長期間目の当たりにしていると、感情が不安定になることもあるでしょう。

「かわいそうかどうか」ということについては、かわいそうと思ってしまったらかわいそうになる、という側面があるように思うのです。

正論っぽくなってしまうかもしれませんが、世の中には、お父さんだけ、お母さんだけのご家庭もたくさんありますよね。両親が揃っていない家庭のお子さんは不幸ですか?と聞かれたら、今のご時世、「そんなことはない」と答えるのではないでしようか。

また、「一人っ子はかわいそう」といった言葉も、いまだに散見されますよね。

本人はいたって幸せかもしれません。周りが「かわいそう」と勝手に思っているだけかもしれません。
何もなく過ごしていたのに、「かわいそう」という価値観に触れると、「自分ってかわいそうなのか…?」となるわけです。


私はよく、「自分の幸せを最優先にしてよい」とこのブログでお伝えしています。

それは、あなたが幸せでいることが、周りの幸せにつながるからなんです。

確かに、今回の結婚は失敗だったかもしれない、でも、何度でも選択しなおせるし、人生を立て直せるし、今ここから幸せを選択していけるんだ、ということを、子どもに伝えられると捉えてみたらどうでしょう?


繰り返しになりますが、ご家庭の事情はそれぞれなので、一概に「離婚のススメ」というわけではありません。

ですが、「子どもが可哀想」と思う背景に、どんなお気持ちがあるのか、今一度見直してみてもよいのかなと思うのです。

離婚という決断への不安や恐れがあるかもしれません。
ご自身の挫折感があるかもしれません。

それも当然のことです。

人は自分のためだけでなく、誰かのためにも生きていますよね。
お子さんが産まれると、その色は強くなります。

自分の幸せよりも子どもの幸せを優先に考える、そうなるからこそ、決断がしにくくなりますね。

親の幸せは子どもの幸せでもある
自分の幸せを追求してよい


その2つを視野に入れて、次のステージについて考えてみるのも選択肢の一つではないでしょうか。


大切なのは、どんな選択をしたとしても、自分で自分を幸せにしていくこと、選択を正解に変えていくよう努めていくこと。

なのではないかな、と思います。

これは、離婚だけの話ではなく、すべての人生の転機で言えること。
そして、私自身もこう書きながら、「そうだ、そうだ」と、改めて思ってしまうほど、大切に思っています。


さて、ごちゃごちゃしている頭の中を整理するためにも、カウンセリングでぜひお話をお聞かせくださいね。
話しているうちに、気づいていなかった自分の気持ちに気づくこともあります。

いつでもお待ちしております。