親のことが許せない、パートナーのことが許せない、きょうだいのことが許せない、友達のことが許せない、仕事仲間のことが許せない・・・
そんな、怒りの感情を持ってカウンセリングにお申し込みいただく方は多いです。
怒りというのは二次感情だといわれています。
その下には、悲しみ、不安、苦しみ、困惑、心配、傷つき、羞恥など・・・さまざまな感情が隠れていて、カウンセリングの始めの頃には、ご自身でも気づいていないことがあります。
ですから、怒りは自分の心からのSOS。その下に、どんな感情があるのか探ってみると、自己理解、そしてセルフケアにつながります。
だからといって、怒りをなきものにしようとするのは、無理があるのかもしれません。
癒しが進むということは、常に一進一退。3歩進んで2歩下がる。時に5歩下がって、2歩進み、3歩進み、また一歩・・・と一足飛びにいくものではありません。
思い出しては怒り、またおさまったと思ったら怒り・・・という感じ。
そして、その中でポイントとなるのが
「怒っている自分」がどこか好きになれないという点です。
人は根本的には愛したい生き物だとすれば、誰か許せない人がいる自分というのは、どこか居心地が悪いものです。
だからといって、「許しましょう!」というのは、ちょっとナンセンスなのかな、とも思います。
(これは個人的な主観です)
怒っている自分を、違和感を感じながらも、なんとか受容してあげてほしいのです。
怒りの感情と向き合うのは辛いけれど、かといって怒りの感情を見ないようにすること、無きものにすることは、自分を大切にしていないようにも思えるからです。
あ、私って怒ってるんだな・・・。
仕方ないよね、あれだけのことがあったのだから・・・。
そう認知したら、それ以上考えないように思考を逃避するのもアリ。
もちろん、怒りの矛先となる人物との絶縁もアリ。
だと思うんです。
自分の心を、正々堂々とと守ってくださいね。
それも、怒りがあると認めないとできないことだから。
そして、そのあとは・・・
一旦、そのことは置いておいて、自分が幸せになることに全力を注いていただきたいなと思うのです。
「許す」というのは、無理に許そうとするものでもないし、突然に許せるものでもないし、一生許せなくても間違っちゃいない。
ただ、もし許せている状態の方が「あなたが楽」なら、そこを目指してもいい。
でもきっと、「完全に許せた」ということではなくて、「気にならなくなった」「どうでもよくなった」くらいだと思います。
それも、あなたが幸せにならないとそうはならない。
だから、一旦許せないものは許せないまま置いておいて、自分が幸せになることに全力を注いでほしい。そう思います。
抽象的な書き方になってしまったので、うまく伝えられているのか・・・とも思いますが、何か感じていただけると嬉しく思います。