HSP的な気質の方や、小さい頃から誰かの期待に応えることをし続けてきた方は、「カウンセリングやセラピーを頑張りすぎて、悪循環にはまる」ケースもあるように思います。
そもそも、明確な「私はこう」というのが隠れているので、(実は頑固だったり流されなかったりするのですが)自分の気持ちがわからない、何をしたいのかわからない、何者なのかわからないといった方もいらっしゃいます。
ある程度、期待されることや役割があったほうが楽、みたいな感じでしょうか。
そのため、カウンセラー側の見立てや提案に、ある意味忠実になりすぎたり、医師から診断名をつけられると、本当にそのように生きるようになったりするわけです。(器質的なものは別だと思うのですが)私は身に覚えがありますが、この感覚、同様にお分かりになる方もいらっしゃるかな?と思います。
私がこのブログで、「自分のやりたいことをさせてあげる、無理してやっていることをやめさせてあげる、必要に応じてNOを言う、他人との境界線を引く」、ということを、かなりしつこく言っているのも、そのためです。
よくカウンセラーはアドバイスをしてはいけないと言われたりしますが、私はカウンセリングの中で提案もアドバイスもします。(いつもではありませんが)
なぜなら、最初は補助輪機能が必要だと思うからです。受ける側からしたら、どうしたらいいのか分からないから来てる(電話してる)んだけど・・・って感じですよね。
例えば、自転車で自分の好きなところに行って楽しみたい!とします。
でも、運転の仕方はなんとなく頭ではわかってるけど、うまく乗れない。どこへ行きたいのかもよく分からない。
だから最初は補助輪機能が必要ですよね。乗り方のアドバイスをしつつ、補助輪として支えつつ、頑張って乗れるようになるために、「乗れるようになったらどんなところへ行きたい?」とビジョンを見つけていきます。
「こうやると、うまく乗れるよ」「例えば湘南の海とかどう?」とこちらが提案したところで、人によって「こうしたらうまく乗れる」方法も違えば、「いや私は高尾山に行きたい」というパターンもありますよね。
でも、補助輪があって、応援してくれる人がいたら、頑張れるんです。
すいすい乗れるようになって、「高尾山にいってきました!」となり、「次はもっと遠くへ行きたい」「今度はバイクに乗れるようになりたい」という段階になったら、次はコーチング的なかかわりをするようになります。
そこを、「なんかこの練習方法、しっくりこないなー」「湘南の海はやだなー」と思っているのに、そのことに気付かないまま、必死で頑張り続けるから、ヘトヘトになって疲れてしまうわけです。そして、もう無理・・・となる。
その「違和感」の心の動きを敏感にキャッチできれば、「やってみたんですけど、なんかしっくりこなくて」「湘南の海はピンと来なくて」と伝えられますよね。
そうすれば、では、次の一手は何だろう?と共に考えていくことができます。
もちろん、私自身もそのようになっていないか?注意深く関わるわけですが、「何がしたい?」「何が好き?」が明確になったほうが、進みが早いと思うんですね。
そのために、繰り返しになりますが、「自分のやりたいことをさせてあげる、無理してやっていることをやめさせてあげる、必要に応じてNOを言う、他人との境界線を引く」という期待に応えない練習が大事だと思うのです。
そのためには、「自己肯定感、心の居場所・安全基地」が必要・・・という、いつものお話になってしまいますが。
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そして、他人の期待をキャッチできることも、それに応えようとするのも、頑張りすぎるのも、あなたの「いいところ」であることを忘れないでください。
人を思いやれる。繊細に様子をキャッチできる。相手の気持ちがわかる。自分から与えようとする。それら、全部いいところなんですよ!
いいところを、まずは自分の幸せを置き去りにすることなく、自分のために活かしていってくださいね。
自分の幸せの延長に、他人の幸せがあります。
その時、あなたの「いいところ」は、何倍もの光を放って、本領を発揮することでしょう。