以前、とある人間関係のお悩み相談をお受けしました。
その方は最大限、相手のことを思ってご配慮されているのですが、「相手がどう思ったか」「傷つけてしまっていないか」「もっといい接し方があったのではないか」とモヤモヤされていたようでした。
私がご提案したのは、相手がどう受け取るかはこちらにはコントロールできない部分。だから、コントロールできない部分について悩むのはやめませんか、というものです。
【自分でコントロールできる部分】
・相手の立場に立ち、思いやった上で言葉をかける、行動すること
【自分でコントロールできない部分】
・それを、相手がどう受け取るか、ということ
実際に、「受け取り方」というものは、その人の心の状態やコンディションによるものが大きいんですよね。そして、日々変化しています。
例えば、たまたま家族とうまくいっていない時期で、ネガティブにしか受け取れない。仕事が忙しすぎて心の余裕がなく、トゲトゲしい反応しかできない。過去のネガティブな出来事が想起されて、歪んで受け取ってしまう。などなど・・・
みなさんにも、思い当たるふしがあるのではないでしょうか?
相手からのコミュニケーションを受け取った時に、「ああ、自分に余裕がないんだなー」と思ってしまったこと。
ですから、最大限、相手の立場に立って思いやってさえいれば、あとは相手がどう受け取るかはその人次第。と、割り切ってしまえば、悩む範囲が狭まるのです。
余談ですが、相手に対する思いやりのある方ほど、相手がどう受け取ったかまで気にされて悩む傾向があると思うので、自分がコントロールできる範囲内のことは、もう最大限できる限りのことをされているのだと思いますよ。
このことは、コミュニケーション発信のボールを、受け取る側の時も同じことが言えます。
【自分でコントロールできる部分】
・ネガティブに受け取ってしまったことについて、なんでこんなふうに反応したんだろう?と内観すること
【自分でコントロールできない部分】
・相手が、それをどういう状態やコンディションの時に発信したのかということ
なんでこんなふうに反応したんだろう?と内観してみる。という点については、例えば夫が言った一言にものすごくイライラしたとして、
・自分の中に十分に認めてもらってないっていう気持ちがあるんだな
・心の余裕がなくなるほど、自分を置き去りにして、自分のことを大事にできていないんだな
と気付く・・・などです。
もちろん、人間ですからイライラして言い返してもいいと思うのですが(笑)内観して気付くことで、相手への伝え方も変わっていきます。
また、発信した時の相手の状態やコンディションについて、「仕事が忙しくて疲れてるんだろうな」と思えれば、自分が責められているわけでも、自分が悪いわけでもないのだなと、気持ちも軽くなります。
モヤモヤしたり、イライラしたり、心がネガティブな反応をした時に、「コントロールできる部分か、できない部分か」を、ぜひ意識してみてください。
コントロールできない部分は上手に手放して、心穏やかでいられる時間を少しでも多く確保してくださいね。
いいコンディションでいられるためにも、自分を大切にすることが第一優先です!
コミュニケーション上手とは、喋りの上手さでも、話題の豊富さでもなく、自分や他人に対して、視点を多く持つことなのだなと思います。