コロナウイルスの感染拡大もあり、強迫性障害の方で特に「不潔恐怖」がある方はお辛いのではないかなと思います。
私も、10年ほど前に「不潔恐怖」「不完全恐怖」に苦しみ、母に「カギ締まってるよね」「これ壊れてないよね」「これちゃんと本棚にしまわれてるよね」と問いかけては、「大丈夫だよ」という保証を求めていました。
今振り返っても、二度とあのような状態にはなりたくないなと思うほど辛かったです。一番のダメージは、不完全恐怖から同じものを複数購入し、経済的にも破綻してしまったことでしょうか。例えば、汚すのではないか、破れるのではないか、劣化するのではないかという恐怖から、同じ本を何冊も買ったり・・・。
症状が治ったきっかけは、一つずつ薬を試していき投薬治療がうまくいったことと、うまくいき始めた頃に、少し無理をして強烈にハードワークな仕事につき、確認している暇がないほど忙しくなった(エネルギーが向かう先が変わった)ことでした。
先日、当時のことを母にたずねてみました。「保証を求めて、確認に巻き込んでしまっていたけど、なんでいつも大丈夫だよ〜って言ってくれてたの?」と。母の答えは、「友達もそういう状態になったことがあって、ちゃんと治ってたし、いつか治ると信じてたから」でした。ちなみに、父も強迫性障害持ちだったので、治った人を複数人知っていたということになります。
先生によっては、家族の巻き込みは症状悪化や家族の生活の質の低下を招くため、止めようとされる方もいるのかもしれません。ただ、そんな簡単に止められるもんじゃないんです。止められるくらいなら、そんな病気にはなっていません(笑)巻き込んでも巻き込まなくても不安なんです。だから鬱も併発していることも多いでしょう。
私が救われたポイントは、母が、巻き込まれる事をあまり負担と思っていない感じで「大丈夫だよ〜」「うん、大丈夫」と根気強く、粘り強く言い続けてくれていたことだと思います。
そりゃ、「しつこい・・・」と思うこともあったでしょう。でも決して「だから大丈夫だって言ってるでしょ!!!」と怒ったりしなかった。いろいろな苦労を経て悟ってる感じのある母なので、心の整え方を知っていたのでしょう。
私がふと思ったのは、例えば認知症の家族に接するときも「お家に帰りたい」「いつ家に帰るの?」と言われて「いや、家だよここ!」とか「ここ老人ホームだから帰らないよ」って言わないですよね。その場の不安を和らげるために「うん、明日ね」と言ったりしますよね?あくまでも体験から来る、私個人の主観ではありますが、そんな感じに近いと思います。
幸い、強迫性障害は、信頼できるお医者さんと二人三脚していけば治る病気です。 強迫性障害や鬱のご家族から巻き込みに遭っている方には、今のお辛さは察するに余りあるものがありますが、どうか治ると信じて、心のメンテナンス、まずはご自身を大切にされることを第一優先でお過ごしくださいね。
少しでも勇気づけられたり、参考になる方がいればと思い、書かせていただきました。
カウンセリングShinario
※当カウンセリングルームは医療機関ではございませんので、診断・治療・投薬はできません。症状については医師とよくご相談くださいね。
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