人間、誰でも負の感情は感じるものです。
「あの人好きじゃない」「働きたくない」「めんどくさくて何もしたくない」「親が鬱陶しい」「子どもが可愛いと思えない」などなど・・・
真面目できちっとした方ほど、「そんなことを思ってはいけない」「そんなことを思う自分はダメだ」と、自分を責めてしまう傾向にあると思います。
または、そんな自己否定の感情を感じなくていいように、完全に抑圧してスルーしているケースもあります。つまり、自分の気持ちに気づいていない、ということですね。
カウンセラーが、どんな気持ちですか?とお尋ねして、はじめて「嫌で・・・」などと言葉にしてくださいます。
感情を抑圧することが続いていくと、自分の気持ちがわからなくなっていき、何がしたいか、何を食べたいか、何をしている時が楽しいのか、などさっぱりわからなくなってしまうのですね。
NOが言えなくなる、自分を大切にしない人から離れられなくなる、というケースもあるかと思います。
負の感情は不思議なことに、抑圧しても消えてはいかないのです。成仏せずに、ゾンビ化してしまい、鬱などの症状となってあなたのまわりに出てきてしまうんですね。
例えば、愚痴を友達に聞いてもらったらすっきりした、という経験がおありの方もいらっしゃるでしょう。
そんなふうに、感情はしっかりと感じて、感じ切ってあげないと、成仏できないのですね。
カウンセリングの技法で「傾聴」というものがあります。しっかりと、ありのままのクライアントさんのお話に耳を傾ける・・・これが基本技法として大切なのは、事実や認知の確認もそうなのですが、感情をお聞きすることで、ご自身でほんとうの気持ちに気づいていただくことができるからでもあるのです。
ぜひ、「こんなことは感じてはいけない」「こんなことを感じている自分は嫌だ」と抑圧せずに、しっかりとありのままの自分の感情を感じてあげてください。善悪の判断なしに、です。
それが、自分を大切にすること(自愛・自尊)につながります。
感情を感じるのは自由です。それをどう表現するかなのです。だから、自分のありのままの感情を感じるだけなら、誰にも迷惑はかけないわけですから、大丈夫ですよ。
どんな感情がでてきたとしても、しっかりと感じて、感じた後は、こんな私もいるよね・・・と受け止めてあげてくださいね。
自分の中の感情をしっかりと感じてあげることができる。それが、あなたが自分の人生を生きる上であらゆる意思決定の基盤になります。
ぜひ、ネガティブな感情も忌み嫌わず、大切に吟味してあげてくださいね。
カウンセリングでもお手伝いできますので、ひとりでは難しい時はぜひご活用ください。
お読みいただきありがとうございました。