私は、辛い時や悲しい時だけでなく、なんとなくもやもやするという時でも、カウンセリングを受けるハードルが低くなったらいいな、と思っています。

カウンセラーだから言っているというよりは、私自身も、もうかれこれ十数年カウンセリングを受けているので、(その間2人のカウンセラーさん)何かあったらカウンセラーさんに相談すれば良い!という気持ちがあるだけで、だいぶ日常が楽なんです。

十数年前は、大きな悩みや不調があったので、セラピーも取り入れたセッションもかなり多かったです。

今は、昔と違って大きな悩みはありませんし、私自身も訓練を受けカウンセラーになったことで、セルフカウンセリングやセルフコーチングも当然できるようになっています。

なので、カウンセラーさんがコーチになったような感じとでも言いましょうか。

不調や大きな問題がなくても話したいと思うし、話しているうちに、実現したいことや目標設定、本当の気持ち、気づかなかった視点などに気づいていくことができています。

自殺のニュースが流れるたびに、日本でも、マッサージを受けて身体を整えるように、カウンセリングを有効的に取り入れることがメジャーになればいいなという気持ちが湧き上がってきます。

そこで、カウンセリングを受けるハードルになっていそうな、よくある誤解について考えてみました。

(1)病んでいる人が受けるもの

病んでいるというのは精神疾患やメンタル不調という意味かもしれませんね。

確かに、私も昔は「病んでいた」時期がありましたが、その時期はむしろカウンセラーさんではなく主治医(私の主治医は臨床心理士とのダブルライセンスでした)のお世話になっていたので、逆にちょっと元気になって働けるようになるまではカウンセリングを受けられませんでした。精神的にも経済的にも、受ける余裕すらなかった感じです。なので、病む前と、やや回復してからはずっとカウンセリングを日常に取り入れています。

(カウンセラーとしても、メンタル不調や精神疾患についてのご相談を受ける範疇には気をつけています。私だけでなく、すべてのカウンセラーが訓練で習うことですが、自分が抱えるべきではない領域については、医師など専門家につながなくてはならないからです。)

(2)弱い人間だと思われるのではないか・・・

また、カウンセリングを受けることで、弱い人間だと思われたくない、認めたくないという方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、今、世の中の流れも根性論のようなところから、特に若い人を中心に、自分を大切にする風潮に変わってきている感覚があります。

私も昔は企業戦士で終電・徹夜は当たり前、ちょっとした風邪では休まない、といった感じでしたが、今は辛い時は無理せずに休むことや、ワークライフバランスを取るのは当たり前ですよね。コロナ禍以降、その流れは加速しそうだなとも感じています。

それに、自分の弱さと向き合うことができる人が、本当に強い人なのだと私は思っています。そして、自分の弱さと向き合うからこそ、他者の弱さにも配慮することができ、愛し愛される関係がつくれるのだと思いませんか。

弱さがあるから頑張れるし、弱さがあるから成長できるし、弱さがあるから人を思いやれる。弱さとは、忌み嫌うものではないと思うのです。

もっと言えば、心のバランスを崩してしまったり、不調になってしまうこと、もやもやと悩んでしまうこと、それは果たして「弱さ」なのでしょうか?

それは、あなたが真摯に生きているからこそ、なのではないでしょうか。

また、あなたをよりよい方向へ導くために、あなたの心が出してくれているシグナルなのかもしれません。

(3)ただ話を聞くだけで解決しない

傾聴しかしない、と思われている方もいらっしゃるようですが、確かに「傾聴しかしない」回もあるかもしれません。

(1回のカウンセリングで全てが一発解決するということは、経験上からもほぼ無いと思っています。個人的見解ですが)

でも、基本的にはクライアントさんの問題解決をサポートすることを目指していますので、カウンセリングプロセスの中で、必要に応じてご提案をすることも多々あります。

もちろん、決して押し付けることはありません。取り入れるか取り入れないかはクライアントさんの選択です。

また、もし提案やアドバイスをしてほしい場合は、その旨も率直に伝えていただければと思います。誘導になっていないかは留意しつつ、できる限りのことをご提供したいと思っています。

(4)以前受けた時にピンとこなかったからダメ

カウンセリングの最中や、終わった直後はピンとこなくても、その後の日常の中で「ああ、こういうことか」と腹落ちするケースも多いです。

また、もちろん相性の問題もあります。例えば、私とこの世のすべての方が相性バッチリということはありえません。

何回か受けてみてそれでもピンとこなかったらカウンセラーさんを変えてみる、もしくは、領域ごとに2人ついてもらう、などもいいかもしれません。

過度なカウンセラーショッピングは、化粧品やサプリを毎日コロコロ変えると、それが効いているのか効いていないのか分からないのと同じで、あまりおすすめできません。

安心してなんでも話せる感覚があること、提案にピンとくるものがあるのであれば、何回か受けてみることをおすすめします。

以上、個人的な見解にはなりますが、よくある誤解というトピックで書いてみました。
お読みいただきありがとうございました。